株式投資

韓国の人たちの投資スタイルを見ていると、彼らの性格がよく表れているように思えます。

韓国人は良くも悪くも「熱しやすく冷めやすい」性格だと言われています。韓国の人たちが投資をする姿を見ていても、それを感じられる場面がよくあります。

例えば2017年末から2018年頭にかけて世界中が仮想通貨ブームに沸きましたが、韓国はその中でも最もブームが加熱した国でした。韓国でのビットコインの最高値は2018年1月につけた2600万ウォンでしたが、これは他の国と比べて約40%も高い価格です。

2017年12月、当時僕が所属していた野球チームの忘年会がありましたが、その時点では仮想通貨に投資をしているというメンバーは二人だけでした。しかし年が明けた2018年1月、練習初めに行ってみるとチームメンバーのほとんどが仮想通貨に手を出しており、終始その話題で盛り上がっていたのを覚えています。そのように韓国人の誰も彼もが仮想通貨を買おうとしたことで、韓国内で取引される仮想通貨の価格は他の国に比べても大きな高騰を見せたのです。

また、これは現在進行形の話ですが、ソウルではアパート価格が高騰しています。住宅のような人が生きていく上で必要なものは消費者物価や名目賃金に連動して上昇している間は安定した状態と言えますが、ソウルのアパート価格は2016年頃から物価上昇率を遥かに超えた急激な上昇カーブを描いています。

以前にも書いたとおり、韓国のアパート投資は日本のように毎月の家賃を稼ぐというインカムゲイン投資よりも、不動産価格が上がった時の売却益に期待したキャピタルゲイン投資に重きが置かれています。インカムゲイン投資の場合は物件から得られる家賃相場が先ずあり、そこから逆算することで適正な売買価格が決まりますが、キャピタルゲイン投資の韓国の場合は家賃相場はほとんど関係なく、売買価格が家賃に対していくら割高だろうと、今後さらに値上がりしそうなら買うのです。値上がりが続いている間は「もっと上がるだろう」という期待感から投資する人が増え、それによって実際に値上がりし、さらに投資する人が増える、ということを繰り返して価格が高騰するのです。

動画の中では韓国の人は株式投資に消極的だと話していますが、今年に入ってからは少し状況が変わっています。コロナ禍の影響で株価が暴落した3月以降、「東学アリ運動」と称される株式市場への個人投資家の流入が見られました。特に30代〜40代の流入が多かったと言うことで、過去には株式投資家の約半数が50代以上とされていた韓国で、若い層への株式投資の普及が進んだ形となります。

彼らは暴落した株価が回復することを信じてサムスン株を中心に積極的に買入れ、見事その通りに株価は上昇しました。またその勢いで米国株式市場で好調のテスラ株にも参入、テスラは2020年上半期に韓国人が最も投資した銘柄となり、株価の高騰に一役買った形となっています。

今回、韓国の人たちの株式投資に対する姿勢に変化があったことは確かですが、個人の金融リテラシーが上がり株式投資の価値に気がついたというよりは、インターネットを中心とした自国株買い支えのムーブメントに乗っかった人だけのが多かったように思えます。

その背景には、韓国のアパート価格が暴騰しているということもあるかもしれません。ソウルでそこそこ良いアパートを買うためには最低10億ウォンが必要だという現実の前で、このまま会社の給料をコツコツ貯めていてもダメだと悟った30代・40代が、一か八かの勝負に出た、というケースも少なくないと思います。

このように、韓国の投資の世界ではミニバブルのようなことが頻繁に起こります。これは韓国の人たちの性格によるところもあるでしょうが、それ以上にメディアの影響もあるかもしれません。仮想通貨も、ソウルのアパートも、価格高騰のニュースが連日報道されますし、それを受けた政府の役人が何かしら対策(規制)をしようとすることで、それもまたニュースになって人々の目に触れます。元々財テクに熱心な韓国の人たちですから、そのようなニュースは政府の思惑とは裏腹に、さらに価格を高騰させる方向に働くのです。

そんなこんなで、僕たち夫婦は家からテレビを無くし、ニュースも見ていません。外部の情報に惑わされることなく、粛々と長期投資を続けていくのみです。

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