外車貧乏

韓国のカープアの若者を見ていると、借金の善悪について考えさせられます。

韓国では数年前から「カープア」という言葉をよく聞くようになりました。ベンツやBMWなどの高級車を保有していて裕福そうに見えるものの、実際には毎月のローン支払いに追われて私生活が困窮しているような若者を指した言葉です。

日本韓国
Mercedes-Benz 66,52378,133
BMW46,81444,191
Audi24,22211,930

上の表は2019年の輸入車ブランドの新車販売台数です。日本と韓国で同じような販売規模であり、日本の人口が韓国の2.4倍ほどであることを考慮すると、韓国人の方がより高級車の需要が高いことが分かります。また、購入者の内訳は30代が最多で全体の33%を占めており、僕たちの周囲を見てみても、結婚のタイミングで良い車を買おうという夫婦は多いように思います。

そのような若い層の外車購入を支えているのが自動車金融(自動車ローン・分割払い)の存在です。韓国の自動車金融市場規模は約60兆ウォンであり、日本の5兆円を上回る規模です。韓国人の方が積極的にローンを組んで自動車を購入する傾向が強いと言えます。

この背景には、韓国で国民が借金をすることを奨励してきたことがあります。韓国では国策としてクレジットカードの利用を促進し、また住宅や車を購入するためのローンを普及させるなど、国民が借金をしやすい環境を提供してきました。そこにはもちろん、国民が借金をして消費活動を行うことで経済の発展を促進するという狙いがあります。

韓国の債務とGDPの推移を見るとどちらも右肩上がりで来ており、借金をすることで経済が成長し、経済が成長することでさらなる借金が可能になるという関係が分かります。韓国の場合は特に民間債務の占める割合が大きく、逆に政府債務は低めですので、国民の借金が韓国経済を成長させてきたと言えます。

一方の日本はバブル崩壊によって国民が借金を嫌うようになり、民間債務は全く増えていないどころか減少しています。民間債務の減少分は政府の債務で補うしかないですが、民間+政府の債務全体としては横ばいであり、新たな借金が新たな消費を生むという状況にはならず、GDPも成長していません。

このようなデータを見ると、借金をして消費を行うということが、経済全体を考える場合には必ずしも悪とは言えないということが分かります。ただしあくまでも、借金をすることで経済が成長するのであれば、という前提付きではありますが。(韓国でも以前から家計負債の増加スピードにGDP成長が追いつかなくなっており、この状況が続くとリスクが顕在化する恐れがあると言われています)

韓国には「借金も資産だ」ということわざがあります。「資産=純資産+負債」のことを言っており、借金をして投資(家の購入)をする際によく使われる言葉です。もちろん韓国でも良い借金ばかりではないとは思いますが、多くの日本人がそうであるように「借金は悪」と決めつけてしまうのもいろいろと問題がありそうです。

コメント