文化模型

ホフステードの文化モデルは、様々な日韓の文化の違いを上手く説明してくれます。

国ごとの文化的特徴を数値で表現したホフステード6次元モデルという指標があります。日韓の指数を見ると全体的にはかなり似たような傾向をみせているものの、「男性性/女性性」という項目のスコアだけが大きく異なっています。日本は世界で最も男性性が高い国であり、一方の韓国は女性性が高い国とされています。

男性性/女性性という次元の解釈は幅が広い意味を持ちますが、あえて一言で表現すると、男性性は強さ、女性性は優しさと考えるのが分かりやすそうです。強い女性や優しい男性も存在するように、男性性と女性性は排他的な要素ではありません。どの国の文化も男性性/女性性の両方の特徴を持つ中で、どちらがより強調されているか、どちらがより重視されているかによってホフステードの指数は決まっています。

日韓の文化の違いについて理解する上で、この男性性/女性性という指標は非常に役に立つと考えています。

例えば、動画の中では会社の上司に望むことに関するアンケート結果を紹介しましたが、国のリーダーに対して望むこともそれに似ており、日本では「行動力」が求められるのに対し、韓国では「疎通」(コミュニケーション)が求められています。現在の政権によって運営されている国民請願制度も国民の声を聞こうという姿勢を示すもので、韓国国民の女性性からくる共感欲求を満たすための重要なツールなのです。

以前じょんへさんの親戚(おじさんたち)が話しているのを聞いて感じたのは、韓国の人が大統領を選ぶときに、政策の内容や政治家としての実績以上に、それまでどのような人生を歩んできたかという人格面により重きが置かれているということです。韓国ではエリート出身よりも庶民出身の努力家が、強いリーダーよりも優しいリーダーが好まれるのです。

また、女性性の高い国の特徴とされている「福祉社会が理想で、貧しい人、弱い人を助ける」というのも韓国に当てはまります。政治的な志向を抜きにして見ても、電車の中でお年寄りへ席を譲る若者の多さであるとか、地域猫の保護活動が盛んであることなど、身の回りでも人の優しさを感じられることは多いです。

しかし一部では、韓国が女性性の高い国に分類されていることに異議を唱える人もいるようです。その一番の理由は、韓国以外の女性性の高い国を見てみると、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどの北欧諸国を中心として、男女平等を実現している国が多いためです。対して、韓国のジェンダーギャップ 指数は108位であり、日本の121位よりは順位が上ではあるものの、下位圏であることには変わりはありません。ジェンダーギャップの小さな国々の中に韓国が混ざっていることで、違和感を感じるということでしょう。

スウェーデンと韓国のホフステード指数を比較してみると、どちらも女性性が高いということ以外は全く逆の傾向を示しています。このうち特に重要と思われるのは、スウェーデンは個人主義的、韓国は集団主義的であるという部分です。韓国は「夫婦有別」の概念を持つ儒教の影響を非常に強く受けているため、伝統的にジェンダーギャップの強い文化です。さらに、集団主義的な社会であるため、個人主義的な「他人は他人、自分は自分」だから「伝統なんて関係無い」という価値観の破壊が起こりにくく、女性性が高いにも関わらずジェンダーギャップがなかなか縮まらないのだと考えられます。

韓国で日本よりもフェミニズムが活発なのは、女性性が高く平等を理想とする国民性にも関わらず、現実にはジェンダーギャップが大きいという、理想と現実のズレによるところが大きいのではないかとも思えます。

以上のように男性性/女性性という指標に基づいて考えてみることで、日韓の文化の違いをはじめとして、日韓関係の状況や日韓カップルの恋愛など、色々なことが説明できるようになりそうです。

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